日経コンピュータ (1997年3.17号) 書評


 情報システムの構築にまつわる、さまざまな「こぼれ話」をまとめた辛口のエッセイ集。だが、その内容には単なる雑感の枠を超え、業務に役立つヒントが数多く埋め込まれている。

 著者は「システム構築を成功に導くには、コミュニケーション技術を磨くことが不可欠」と主張。その具体的な方法と注意点を繰り返し説明してくれる。たとえ話の使い方が上手なので厳しい指摘もすんなり頭に入るだろう。

 著者が現役のシステム・コンサルタントだけに、登場するエピソードはリアルだ。「導入効果よりもコストだけを気にするユーザー」「トラブルの原因を押し付け合うシステム.インテグレータ」など、身につまされそうな話も多い。 (星野)